
マーガリンにはない、様々なフレーバーや味が楽しめるファットスプレッド。
ふと、妊娠中の女性などは口にしても平気なの?と思うことがありますよね。今回は、ファットスプレッドは妊娠中に食べても良いのかご紹介していきたいと思います。
ファットスプレッドとは?

そもそも、ファットスプレッドとはどういうものなのでしょうか?名前は聞いたことがあるけど、詳しくは知らないという方も多いと思います。
日本農林規格(JAS)では、マーガリン類に属するもののうち、食用油脂の割合が80%未満のものをファットスプレッドと呼び、80%を超えるものをマーガリンと呼びます。
日本で家庭用のマーガリンとして販売されているものの多くはファットスプレッドです。
「マーガリン類」の中には「マーガリンと」「ファットスプレッド」が含まれていて、その総称を「マーガリン類」と言います。
日常的に口にしているマーガリンは、実は「ファットスプレッド」という名称だったということになりますね。
ファットスプレッドの特徴

マーガリン類の中でもマーガリンとファットスプレッドに分かれますが、ファットスプレッドの特徴とはどのようなものなのでしょうか?
- 油脂を含む割合が80%未満
- フルーツやチョコ味をつけることが許されている
油脂を多く含むため、なめらかな口あたりでパンなどにも塗りやすくなっています。また、ファットスプレッドには、風味原料と呼ばれる果実や果実加工品、チョコレート等の味をつけることが許されています。
妊婦さんはファットスプレッドは控えた方が良い

結論からいうと、ファットスプレッドは妊婦さんは摂取を控えた方が良い食品とされています。
その理由は、マーガリンやファットスプレッドに含まれる「トランス脂肪酸」にあります。
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トランス脂肪酸とは
トランス脂肪酸は、脂質の構成成分である脂肪酸の一種です。植物油などからマーガリンやショートニングなどを製造する際や植物油を高温にして脱臭する工程で生じます。また、天然でも、牛などの反すう動物に由来する乳製品や肉に含まれています。
厚生労働省
このトランス脂肪酸を多く摂取することにより、以下のような症状や病気との関連性が報告されています。
- 心筋梗塞などの冠動脈疾患
- 肥満
- アレルギー性疾患
また、妊娠時にトランス脂肪酸をとりすぎると、お母さん体や赤ちゃんの体の中で「必須脂肪酸代謝」が阻害され、赤ちゃんの体重減少や流産、死産にも関連があることが報告されているそうです。
また、授乳期であっても、お母さんがトランス脂肪酸を多く摂取すると母乳に移ることが認められているので妊娠~乳児期にはトランス脂肪酸が含まれる食品の過剰摂取は控えましょう。
妊娠を望んでいるならば男性も気をつけること
妊婦さんと聞いて、自分には関係ないと安心している男性も多いはず。ですが、トランス脂肪酸の過剰摂取は上記のような病気を引き起こす原因となるだけでなく、精子の濃度が下がるとも言われています。
そのため、男女ともに妊娠を望むのであれば、日常的に健康的な食生活を心掛ける必要があるようです。
トランス脂肪酸が含まれる食品
トランス脂肪酸が含まれる食品は、マーガリンやファットスプレッドだけではありません。
日常的に口にするものですと、以下のような食品にもトランス脂肪酸が含まれています。
天然にできるトランス脂肪酸を含む食品
牛や羊などの動物は、胃の中の微生物の働きによってトランス脂肪酸が作られます。そのためこれらの食品の中には微量のトランス脂肪酸が天然に含まれています。
- 牛肉
- 羊肉
- 牛乳
- 乳製品
油脂の加工・精製でできるトランス脂肪酸を含む食品
- マーガリン
- ファットスプレッド
- ショートニング
- 上記を原材料に使ったパン
- ケーキ
- ドーナツなどの洋菓子
- 揚げ物
本当にトランス脂肪酸は健康に良くないの?
上記の食品を見る限り、普段誰でも口にする機会があるものばかりということが分かります。
では、トランス脂肪酸が含まれている食品を全て把握して日頃から気をつけなければいけないのでしょうか?
日本人の摂取量は平均値
WHO (世界保健機関)は、心血管系疾患リスクを低減し、健康を増進するための勧告(目標)基準として、トランス脂肪酸の摂取を総エネルギー摂取量の1%未満に抑えるよう提示しています。
このため、トランス脂肪酸の摂取量の水準が公衆衛生上懸念される国では規制している国もありますが、日本人のトランス脂肪酸の摂取量は、平均値で、総エネルギー摂取量の0.3%であることが分かっており、平成24年3月に食品安全委員会が取りまとめた食品健康影響評価において、通常の食生活では健康への影響は小さいと考えられています。
また、トランス脂肪酸の摂取が多い方から上位5%の人についても、0.70%(男性)、0.75%(女性)で、WHOの勧告(目標)基準を下回っています。
なお、総エネルギーの1%のトランス脂肪酸の量は、年齢、性別などにより異なりますが、1日当たり約2グラムに相当します。
厚生労働量
このことから、日本人は1日の摂取量が基準の数値を下回っていることがわかります。
そのため、普通に生活していれば問題ない範囲の摂取量ということになります。
ですが、基準値の「トランス脂肪酸の摂取を総エネルギー摂取量の1%未満」を超え、過剰摂取を続けていると心筋梗塞などの冠動脈疾患、肥満、アレルギー性疾患、妊娠中や授乳期の胎児への影響などが及ぶ場合があります。
ファットスプレッドに含まれるトランス脂肪酸
市販のファットスプレッド100gに含まれるトランス脂肪酸の平均値は5.509g。1日あたり2gのトランス脂肪酸を上限とすると、約36gのファットスプレッドに換算されます。
大匙1のファットスプレッドが約13gのため、目安は大匙3杯程度ということになります。トースト1枚に塗るのであれば大匙1は多すぎるほどかと思いますので、手作りお菓子などを作る時の方が注意した方が良いかもしれませんね。
参考:「食品に含まれるトランス脂肪酸の評価基礎資料調査報告書」
まとめ
妊娠中の女性は、トランス脂肪酸が含まれる食品は極力摂取を控えた方が良いようです。日常的に口にする食品が多かったり、妊娠中は偏食になりやすいため、トランス脂肪酸の含まれる食品が無性に食べたくなることもあるかと思いますが、過剰摂取はせず、食品表示などを確認してから口にしましょう。
また、妊婦さんでなくともトランス脂肪酸の過剰摂取は肥満や心筋梗塞を引き起こしてしまう可能性があるので、普段からバランスのとれた食事を心掛けましょう。