自然で優しい味のはちみつ。お砂糖を使うより、はちみつを代用して甘味を足している人も多いのではないでしょうか?私もコーヒーを甘くしたい時は、必ずはちみつを入れて飲んでいます。
でも、はちみつの容器やラベルをみると、「赤ちゃんには与えないでください」という表記も同時に見かけます。
体に良いイメージのあるはちみつですが、なぜ赤ちゃんには与えてはいけないのか、いつから与えても良いのかなど詳しくご紹介していきます。
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赤ちゃんにはちみつを与えてはいけない理由
はちみつには、「ボツリヌス菌」というものが含まれており、この菌が赤ちゃんなど幼児の体内に入ってしいまうと、まだ腸内細菌が少ないため「乳児ボツリヌス症」を発症してしまう可能性があるため、厚生労働省でも、1歳未満の赤ちゃんにはちみつを与えないようにと促しています。
ボツリヌス菌とは?
ボツリヌス菌は土壌や海、湖、川などの泥砂中に分布している嫌気性菌で、熱に強い芽胞を形成します。
ボツリヌス菌の芽胞は、低酸素状態に置かれると発芽・増殖が起こり、毒素が産生されます。
この毒素は、現在知られている自然界の毒素の中では最強の毒力があるといわれ、A~Gまでの型に分類されています。
東京都福祉保健局 食品衛生の窓より
自然界の毒素の中で最強というのが恐ろしいですね。熱にも強い菌のため、家庭での調理法では死滅する温度まで達しないので、加熱したはちみつでも与えるのはNGです。
成人では、腸内細菌がボツリヌス菌に勝るので繁殖できないため、食べても問題がないそうです。
乳児ボツリヌス症とは?
1歳未満の乳児にみられるボツリヌス症です。乳児では、ボツリヌス菌の芽胞を摂取すると腸管内で菌が増殖し、 産生された毒素が吸収されてボツリヌス菌による症状を起こすことがあります。症状は、便秘状態が数日間続き、全身の筋力が低下する脱力状態になり、 哺乳力の低下、泣き声が小さくなる等、筋肉が弛緩することによる麻痺症状が特徴です。
東京都福祉保健局 食品衛生の窓より
成人でもかかると恐ろしいような症状ですね。ボツリヌス症には2種類あり、食品中でボツリヌス菌が繁殖し、それを摂取し発生するボツリヌス食中毒というものも存在します。
ラベルに表示がないから大丈夫と思わず、赤ちゃんにははちみつは与えないようにしましょう。
お菓子などに含まれるはちみつは与えてもOK?
赤ちゃんに与えるお菓子や飲み物に中にもはちみつが使われているものをよく見かけますよね。原料の中にはちみつが含まれているのであれば、与えるのはやめましょう。
ボツリヌス菌が含まれている量は微量ですが、離乳が完了するまでは念のため与えないようにするのがベストです。
はちみつを与えて良いのは1歳を過ぎてから
はちみつは、1歳を過ぎてからであれば腸内でボツリヌス菌は繁殖できないため与えても問題ないとされています。
初めてはちみつを与える時は、少量ずつ与え、様子を見ながら徐々に量を増やしていくのが良いでしょう。
間違ってはちみつを与えてしまったら?
誤ってはちみつを1歳未満の赤ちゃんにあげてしまった場合、以下のような症状が確認できる場合は病院へ連れていきましょう。
- 便秘の状態が何日間も続いている
- 全身の筋力が落ちて脱力状態になっている
- おっぱいを吸う力が弱くなっている
- 泣き声が小さくなる
はちみつを口にしたからと言って、全ての赤ちゃんに症状が出るわけではないですが、万が一与えてしまった場合は、上記のような症状がないか注意しましょう。
まとめ
大人であれば健康に良いと重宝されるはちみつですが、1歳未満の赤ちゃんにとってはちみつはリスクの高い食品ということがわかりました。
「はちみつ」そのものだけでなく、お菓子や飲料に含まれている場合も注意が必要なため、1歳を過ぎるまでは誤ってはちみつを与えないよう気をつけましょう。