高級バターの代表格として有名な「エシレバター」。一度は名前を聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか?
- 普通のバターと何が違うの?
- 値段っていくらくらいなの?
といった、「エシレバター」の特徴や普通のバターの違いについて詳しくご紹介していきたいと思います。
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そもそも「エシレバター」とは?
「エシレバター」の「エシレ」とは、フランスのエシレ村からきているものでした。製造方法や原料からつけられている名前ではありません。
A.O.P.認定のフランス産(エシレ村)の発酵バターです。
発酵バターとは、バターを作る段階の製造工程で「発酵」が行われているバターのことです。発酵バターの作り方として、殺菌済みのクリームに乳酸菌をプラスしてかき混ぜて、そこから発酵をさせ完成します。
このように、乳酸菌をプラスし「発酵」させるというひと手間が発酵バターには加わります。
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「エシレバター」の特徴
では、一体「エシレバター」にはどのような特徴があるのでしょうか?
1894年の創業以来受け継がれるこだわりの製法
エシレ バターの原料として使われるのは、工房から半径50km以内の酪農家の牛だけ。
ECHIRE公式サイトより
一頭当たりの最低限の放牧地の面積が決められるなど、乳牛の育成にも細かな約束事を守っています。こうして搾ったばかりの牛乳は48時間以内に工房に届き、フレッシュなうちにバターに加工されます。
120年以上、この製法にこだわっているからこそ、ゆったりとした放牧地の中でストレスなく牛が育つことができるようです。また、酪農家から工房までの範囲を限定することで、新鮮な状態をキープしてバターに加工することが可能になっています。
木製チャーンならではのまろやかな味わい
エシレの人が「エシレだけ」と胸を張るのが、昔ながらの木製チャーン(攪拌機)。
ECHIRE公式サイトより
牛乳から作られるクリームは、殺菌・発酵の過程を経て、この木製チャーンの中でバターに練り上げられます。
現代ではステンレス製のチャーンが一般的ですが、この木の持つ不思議な力が、口あたりの柔らかで滑らかな食感を生み出しているのです。
一般的な撹拌機(チャーン)ではなく、木の素材のものを使うことで、ステンレスでは出せない柔らかな口当たりの食感が出せるようです。
数少ないA.O.P.(原産地名称保護)認定バターのひとつ
EUがその土地の伝統的な農産品の保護を目的として、製造地域や原料、製造工程などの規定を満たした商品にのみ付与する認証、A.O.P.。
ECHIRE公式サイトより
エシレ バターは、フランス政府からA.O.P.認定を受けた数少ないバター生産地のひとつです。
少人数ながらも厳しい品質管理の元、万全を期した製品作りに努めています。
エシレバターは、なんと政府からの、伝統的な農産品の保護を目的とした商品に与えられる、数少ない「A.O.P」という認定を受けた、数少ないバター生産地に選ばれています。
歴史があるというだけではなく、原料や製造工程などの一定の規定を満たさないと得られないもののようです。
これだけのこだわりが詰まっているため、普通のバターよりかなりお値段が張るのも納得です。
「エシレバター」と普通のバターの違い
製法の違い
先にお伝えしたように、エシレバターは120年以上続く伝統的な製法で作られています。数ある基準が設けられているため、普通のバターよりもフレッシュな状態をキープしてバターへと加工が施されています。
撹拌機による食感の違い
エシレバターを作るには、通常のバターづくりで使われるステンレスの撹拌機ではなく、木製の撹拌機(チャーン)が使われます。
そのため、ステンレスでは出せない口あたりがとてもなめらかで柔らかい食感が味わえます。
まとめ
エシレバターとは、フランスのエシレ地方でつくられている発酵バターのことです。普通のバターとは違い、こだわりの製法や撹拌機を使うことで、フレッシュで他では出せない口当たりを実現しています。
普通のバターよりもお値段がぐんと高いですが、それだけの価値に値するということです。エシレバターの特徴・こだわりを知った上で口にするとまた格別に感じそうですね。